「溶接ニュース」(平成22年7月20日付け)より引用
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独製ブレージングワイヤ
自動車業界に浸透
独・ベルケンホッフ社の日本総代理店、オベロンは、国内自動車部品 メーカーを中心に銅合金ブレージングワイヤの販売実績を着実に伸ばして いる。

ベ社は1世紀以上の歴史を有し、フランクフルトから北に約50キロのホイヘルハイムに 本社と2工場を擁している。従業員数500人、年間売上高140億円。年間1万2千トンの銅合金線材を 生産し、欧州トップクラスに位置づけられる。

生産工程は、原材料の選別から最終製品の出荷まで、完全な一貫生産体制をとっており、 エレクトロニクス用、放電加工用、溶接用などの分野で銅合金の線材として使用されている。 同社の製品は特に一貫生産の強みもあって、高品質化やキメ細かい顧客ニーズへの対応が 図られ、ドイツ国内はもちろん、世界50ヶ国に輸出するグローバル企業でもある。

ベ社のbedra銅合金ブレージングワイヤは、欧州ではフローニアス、EWM、 スキャンソニック、INOCONなどの電源メーカーとのタイアップによる拡販や、 レーザ、プラズマ溶接の普及により欧州の自動車業界が熱源として使用し、同ワイヤの 市場も大きな広がりを見せている。

オベロンは、ベ社の製品を20年以上にわたって発売している。この中で、銅合金 ブレージングワイヤの国内販売は約5年前から開始した。

国内販売実績は、自動車部品への採用が多い。その要因は自動車のエコや低燃費対策 として軽量化が求められ、高張力鋼やステン材の使用による薄板化の進展にある。 それに伴い、従来の溶接では多くの課題が発生し、その悩みに応えたのが同ワイヤで、 融点温度が低く抑えられ、熱ひずみが少なく、母材を溶解することなく接合でき、 溶落ちの心配も不要なこと。このため気密性、耐ギャップ性に優れ、錆びにくく、 収縮率が少ない銅合金独自の特性も加味されていることから、自動車部品では溶接の 仕上げ工程用として需要が増えている。

また、国内では「MIGろう付」で採用されているケースが圧倒的に多い。自動車の 部品以外では、スチール家具や肉盛り用としての実績も徐々に増加している。 同ワイヤは、これまでに蓄積した技術からシリコン、アルミ、ニッケルなどの独自の 含有成分を配合し、用途により他社にない約30種類の品揃え。国内ではワイヤ径 0.8から1.0ミリが一般的だが、同社はレーザなどの熱源にも対応する観点から 1.6ミリまで用意している。

同社では「国内では現在約20%のシェアを確保していると思う。今年4月に開催した 国際ウェルディングショーに出展して引き合いも増え、5年後にはシェア35%を 目指したい」としている。
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